偽物の化粧品から製造記録について

海外コスメは安価で面白い物が多く、人気はあるようです。しかし偽物があることもあり、慎重に購入することをお勧めします。

本物であっても、許可を得た会社ではない会社が製造販売しているケースがあります。実際、私はその製品を見たことがあります。おそらく個人輸入し、同じ製品で市場に流通している製品(いわゆる合法的に輸入した製品)の表示をコピーしてラベルを貼り付けていたと言う事例です。

この場合、製造販売元を調べると許可を得た会社が出てきますから、許可を得た会社が法令に則り、輸入した製品か、全く知らない会社が無許可で輸入している製品か区別が付きにくい状態となります。そしてその製品を使用し、万が一健康被害が出た場合は、だれも責任を負ってくれません。購入代金や治療費など一切の保証をしてもらえません。一番の被害者は消費者なのですが、私は化粧品会社をサポートしておりますので、今回は自社の製品の偽物が出た場合に、会社に責任を負わされない為の対処法の一つをお伝えしようと思います。

まず許可を得た化粧品会社は輸入をする場合は、日本の化粧品製造業者の倉庫(製造所)へ一旦、保管されます。そして、製品に日本語表示ラベルを貼付するなどし、試験検査を経て問題がないと判断した製品しか、出荷はしません。この際に製造業者は「製造記録」という記録を残す義務があります。ただこの製造記録には国などが定めた様式などはなく、各社が品質を担保(保証)するために必要な事項を定め、記録を残します。

記録内容に定めがないため、完璧な製造記録もあれば、一応記録はあるが記録内容が薄い製造記録もあります。どうすれば意味のある製造記録になるか?という点は各社様々ですから、ここでは申し上げられませんが、一つ、貼付したラベルを製造記録に残すことを行って頂きたいと思います。これが偽物が出た場合に非常に役に立ちます。と言いますのは、いくら同じようなラベルを無許可の業者が作成しても、全く同じ物は作成できないので、この記録のラベルと偽物のラベルを見比べると違いが出てくるため、ここで会社として「これは私の会社が輸入した物ではない」と言えます。

このように製造記録は偽物を見破り、責任回避の手段としても役立つ記録書類となります。私が様々な化粧品様をサポートしていますと、GQP・GVPに関する記録書類に重きを置いているケースが多く、製造記録や試験検査成績書については結構おろそかになっていることがあります。

ただこのように製造記録や試験検査成績書は非常に大切な記録であり、おろそかにすると会社に損害が生じる恐れもあります。化粧品製造販売業者様、製造業者様、今、製造記録や試験検査記録はおろそかになっていませんか?そもそも作成していないなんてことは無いですか?作成していない場合は法違反に問われかねません。作成しても内容が雑だと、作成の意味をなさない場合もあります。せっかく製造記録を残すのであれば意味のある製造記録にしましょう!もし作成方法などにお困りであれば、弊所へ一度ご相談ください。