新型コロナウィルスの影響について

全国に緊急事態宣言が発出され、今は日本全国で自粛の動きとなっています。

最近は都道府県の職員の出張を自粛するということで、許可申請の際に実地で調査をする(担当者が現場を確認する)こともゴールデンウィーク明けからとなっている都道府県もあります。
弊所は、薬事関係の許可等を専門に行っている為、お客様には調査をゴールデンウィークまで待っていただいている状況です。

さらに離婚協議書の作成も専門業務としていますが、離婚協議書作成依頼者の約9割が公正証書での作成を希望されています。ところが、公証役場も公証人が隔日出勤となっていたりし(すべての公証役場ではありません)、思うように進められないこともあります。

今回の新型コロナウィルスは、流行し始めてからもう数か月経っているのにも関わらず「飛沫感染する」「肺炎を引き起こす」「潜伏期間が2週間程度」このぐらいしか、今現在はっきりとした情報がないのではないでしょうか?
今までも新型インフルエンザなどの感染病の流行はありましたが、ここまで情報がないウィルスは、とても不気味です。

ここまで医療が発達した現代で、このようなことが起こるとは思ってもいませんでした。

しかし歴史を振り返ると、人は細菌とウィルスの戦いを幾度も繰り返し、そして今があります。
マラリア、結核、コレラ、破傷風、ペスト、赤痢、チフス・・・多くの感染病を人は乗り越えております。

今回の新型コロナウィルスも必ず乗り越えられると信じています。そのためにも、我々のできる範囲で力を合わせて頑張りましょう!

化粧品の手指洗浄料について

弊所は薬事を専門に業務を行っている為、新型コロナウィルスの影響で、毎日のように「殺菌消毒液(手指消毒)」を製造して販売したい、輸入して販売したい、という問い合わせがあります。

しかし以前のブログでも書きましたが、殺菌消毒薬(手指消毒)は医薬部外品または医薬品という扱いになり、そう簡単に製造販売や輸入販売は出来ません。
まず、社内に薬剤師や大学以上で「化学」又は「薬学」の専門課程を修了された方がいなければ、そもそも許可がおりません。さらに許可を取得できたとしても、その後、「承認」を得なければ製造販売は出来ません。
これには、多くの費用と相当な期間が必要となります。どのぐらいの費用ですか?どのくらいの期間ですか?と問われることがありますが、製品ごとに違うため一概にはお答えできません。ただ、初めて承認を申請するとなると、最低でも1年以上はかかると考えて間違いはないと思います。

つまり、今から手指消毒を製造販売しようとした場合に、来月や再来月、また今年の秋ごろに・・・というのは、今後厚労省などから特別措置等が出ない限り、まず難しいと考えても間違いではありません。

さて表題の化粧品の手指洗浄料ですが、まず化粧品は医薬部外品と違い、費用と時間は大幅に短くなります。今年の夏ごろに製造販売や輸入販売も不可能ではありません(おおよそ、3か月程度で製造販売が可能)。そして化粧品は安全性を担保できるのであれば、エタノールをある程度配合することは可能です。しかし、エタノールをある程度高濃度に配合して、手指洗浄料として製造販売するにしても、化粧品には制限があります。
化粧品には石鹸という種類があります。これは、石鹸で手をこすり洗いし、その後、水で洗い流す洗浄料です。ここから分かるように、化粧品で洗浄をPRする場合、物理的に洗い流すことが前提となります。液を付けてこするだけで洗浄ができるというのは不適切となります。

よって、手指洗浄料としてエタノール(ある一定以上の濃度で殺菌作用あり)を配合することは可能ですが、「ふき取る」「洗い流す」という行程を経るものが化粧品となります。また、たとえふき取る・洗い流す行程を経ても、「殺菌・消毒」という言葉は言えませんので、ここも十分ご注意ください。

非常に薬事関係は複雑です。ぜひ慎重にご検討ください。
ご不明な点があれば、遠慮なくご相談ください。