化粧品製造販売業及び化粧品製造業の運用の難しさ

化粧品を製造し販売(単なる販売を除く)するためには、化粧品製造販売業の許可が必要です。許可については、今回は割愛し、許可取得後の運営についての難しさについて、お話を致します。

何が難しいのか?

それは、「企業責任において」という部分が大きいためです。「こうしなければならない」という部分と「企業の判断において決定する部分」があり、後者の部分が比較的化粧品では大きなウエイトを占めます。これが一人ですべての化粧品の運営を行った経験をお持ちの方であれば、比較的理解しやすいのですが、初めて許可を取得する方の場合や、化粧品会社の一部門だけ所属した経験をお持ちの方には理解に苦しむことが多くあります。

行政に聞いても、アドバイスは行ってくれますが「最終的には御社の状況により柔軟に対応してください」又は「医薬品では、こう定められていますので、参考にしてください」という、これまた曖昧な回答となります。これは行政が悪いのではなく、化粧品の運営が前述の「企業責任において」という前提があるためです。

私は顧問先様とお話をする機会が多くありますが、ここを理解できると、かなり話がスムーズに行えます。もちろん製造販売業の許可要件にGQP、GVPの省令に則った手順書の作成がありますので、原則はそれに従って運営を行えば良いのですが、その手順書もすべてのケースに対応しているわけではなく、「この場合は、どうすればよいのだろうか?」という疑問にぶつかることが出てきます。
また最初に作成した手順書は今後のことを、想定(想像)して作成しますので、運営中に企業ごとに合うように逐次改訂を行う必要もあります。この改定も本来であれば省令等々をしっかり読み込んでいれば、ここは削除や変更をしてはならない、ここは柔軟に削除や変更が可能である部分とに分かれます。

一例をあげますと、

「出荷記録を付けていたがネット販売で個人様相手なので、記録が大変であるということで、出荷記録を改訂しよう!」
と考え「販売した商品名、販売日、販売先(出荷先)と出荷数量だけの記録にしよう」と改訂すると、これは不可となります。

なぜ不可なのか?

それは「製造番号又は記号」の記録がないためです。

一方で、「在庫数量の記録は削除しよう」これは、不可とまでは言えません。もちろん記録しておくことは良いことですし、メリットもありますが、不可か?というそこまでではないと思います。出荷判定記録がないものを出荷しないために在庫数量を記載しておこう!というのは、企業内での判断となります。つまり義務ではありません。

ただ出荷判定が行われていない製品を出荷したら違反となり自主回収となり得ます。ですから企業責任において、在庫数量の記録をするかどうかは判断してくださいとなるわけです。

一方で製造業に関しては、製造記録、試験検査記録はどのような内容ものを記載すべきか?これこそ製造する製品や製造工程により様々で、一概に「これ!」というものはありませんが、品質保証の観点から各企業様が判断し決定していく必要があります。製造記録や試験検査の内容が不十分で品質不良が発生した場合は自主回収となりますので、企業責任においてどのような製造記録や試験検査の内容にするかは判断を迫られます。

大変長くなりましたが、「じゃあ、初めて化粧品業界に参入したが、どうすればいいの??」となりますよね。
弊所では弊所で許可の取得をお手伝いさせて頂いたお客様はもちろん「ご自身で許可は取得したが、どうすればよいか分からない」←そもそもこれではだめなのですが・・・
こういうお客様に対し、長年の経験と実績から各社に合わせたアドバイスを行っております。
もしお困りのことがあれば、遠慮なくご相談ください。

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