化粧品の効能について

最近、ニュースで国内大手化粧品メーカーの売り上げがコロナ前の状況に戻らないという報道がありました。

さまざまな原因はあると思います。ニュースでも報道されていましたが海外の化粧品会社が日本の化粧品と同等又はそれ以上の品質の良いものを製造するようになったということもあるようです。なんだか一昔前の家電製品のようですね。そして今の日本の家電メーカーはどうなっているでしょうか?すこし危機感を感じてしまいます。

ところで皆さまは化粧品を購入する際に「医薬部外品」と「化粧品」の二つあるのはご存知でしょうか?美容液、化粧水、入浴剤(料)、石鹸、シャンプー、リンスなどなどはこの二つが混在しています。一度、お持ちの化粧品の裏面をご覧ください。医薬部外品の場合は必ず「医薬部外品」という文字が記載されています。意外とほとんどの化粧品が実は医薬部外品だったということもあり得るかも分かりません。

では何が違うのか?詳細に説明すると長くなりますので前述の種類の化粧品に限って違いを一つ申し上げますと「効能・効果」です。医薬部外品は化粧品では表現できない効能効果を表現できます。例えば「シワ改善」「美白効果」などが有名なところでしょうか?

しかし配合されている成分は医薬部外品の場合は全成分の表示が義務付けられておりませんので、はっきりとは分かりませんが、実は化粧品とほぼ同じ成分が配合されている場合があります。

そして医薬部外品は高いです。同じような成分が配合されているのになぜ高いかと申しますと、開発から販売に至るまでに審査(医薬品で良く「遅い」と言われる「承認審査」と似たようなものです)があり、それに時間と費用、さらに販売した後も一定の試験を行わなければならず、これが費用が高くなる原因の一つです。

一方で化粧品は審査がないため、時間と費用が非常に少なく済みます。ただだからと言って人体に悪影響を及ぼす成分が含まれていたり、試験検査をしていないか?というと、そうではなく成分も定められた成分を配合し、試験検査も必ずしております。よって化粧品だからと言って安全ではないとは言い切れません。

さて話を売り上げが伸びないという所に戻しますと、化粧品の規制が緩和され、多くの企業が参入し始めて今年で約20年となります。この中で安い輸入化粧品が多く出回り、また国産の化粧品も多く市場に流通するようになりました。これにより市場が飽和状態になりつつあるように感じます。さらに海外の今まで化粧品をあまり製造していなった国の企業が品質が良く面白い化粧品を製造し始めたということもあると思います。

このままでは今の家電メーカーのように日本の化粧品メーカーはなってしまうのではないでしょうか?

打開策は難しいですが、承認に費用と時間がかかるのであれば、ある程度安全性が保証され、医薬部外品と同成分に近い化粧品は効能の範囲を広げるという手段もありではないかと思っております。化粧品の効能は56項目あり、そこにある効能しか表現が出来ません。これは20年前とほとんど変わっておりません。

iPhoneが発売されたのが16年程前ですから、20年前と言うといわゆるパカパカ携帯とかガラケーと言われる(お若い方は分からないかも分かりませんが)小さな画面で少しネットが見られ、やり取りは電話かメールかショートメールという時代です。キャリアメールというのが今でもありますが、あれでやり取りをしていたのです。もちろんLINEなんてありません。

いまはどうでしょう?既にガラケーと呼ばれる携帯はほぼ姿を消し、ほとんどの方がスマホを使用されていると思います。行政もLINEで対応をすることもあります。この時代から化粧品の効能は1効能を除き変わっていないのです。そう考えると、ちょっと異常にも感じます。

ですから、化粧品の効能もそろそろ見直しを行い、20年前と比較して追加できる効能はあると思いますから、ぜひ追加して頂きたいと思います。そうすれば安く、早く市場へ様々な化粧品が流通し、コロナ前より化粧品業界が盛り返すものと思います。

※今回はマスクによる化粧品の売り上げ減少については触れておりません。